宇宙機ダイナミクス制御領域
大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻 知能制御学系
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第25回衛星設計コンテスト 特別レポート
メンバー:東山大輝、谷口明日斗、杉浦大貴、西村和真、野瀬勇斗、小林雅弥、岩郷浩武、田坂直也
衛星設計コンテストとは
衛星設計コンテストは、10人以内のチームを組んで自分たちで考えたミッションを遂行する50cm立方以内の超小型衛星の設計を行い、 そしてその設計内容を全国の高校、高等専門学校、専門学校、大学、大学院の学生たちと競い合うコンテストです。 審査は着想点、創意工夫、基礎的な技術知識、将来性等の様々な観点から行われ、毎年多くの学生たちが参加してきました。 私たち山田研究室の学生も4年連続で出場しましたが、最も大きな賞である最優秀設計賞をとることはできず、悔しい思いをしてきました。 そして4回目の出場となる第25回衛星設計コンテストで、私たちはついに最優秀設計大賞をとることができました。
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8位節展開構造体実験衛星「あすと」
私たちが今回設計した衛星は、8位節展開構造体の展開実験衛星です。 8位節展開構造体とは大阪大学の田中展先生らによって開発されたただ一つの入力によって2次元展開し、さらに収縮までもが可能な展開機構となっています。 そして、今回私たちはその8節展開構造体の展開力を用いて、パネルを展開し平面を形成する機構Bi-dimensional Spiral Deployment Mechanism(BSDM)を独自に考案しました。 これらの8位節展開構造体とBSDMにより大型平面を展開・収縮する様子をカメラに収め技術立証することで、その実用性と将来性を示すことを目指した衛星を詳細に解析しました。
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「あすと」の重要性・技術的意義
本衛星により実証される技術により、これまでリソース不足で超小型衛星では実現されなかったような大型平面を必要とするミッションの実現性が示されます。 そのミッションの例としましては、合成開口レーダによる観測が挙げられます。現在では合成開口レーダは大型衛星にのみ搭載されています。 そこで本衛星で実証される展開機構により超小型衛星にも搭載することが可能となり、低コスト化などが期待されます。 その他にも大型平面の2次元展開・収縮が有用となる例として、ソーラーセイル技術が挙げられます。 ソーラーセイル技術とは、衛星本体が受ける太陽輻射圧により推進力をコントロールする技術です。その技術に展開・収縮できる機構を搭載することによって太陽輻射圧の大きさを調整することができ、推進力を自在にコントロールすることができるようになります。 これらのように、大型平面の2次元展開・収縮を行う技術によって、様々なミッションへの応用が可能となります。また、超小型衛星に限らず、様々なサイズの衛星で大型平面の形成が可能になると、将来的には宇宙太陽光発電システムや宇宙エレベータなど宇宙空間での大型構造物の建築につながることも考えられます。 また、大型構造物は動作をする際に様々な障害が予想されますが、それらを収縮させることによって取り扱いの容易化も視野に入れることができます。 今回私たちは、この展開機構に太陽光セルを設置し大電力発電が可能であるかを検討しました。
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